トップは最初の一手を置くだけ

コマツ会長 
坂根正弘氏

無難な平均点の商品などいらない、飛びぬけた力を持つ「ダントツ商品」をつくれ――。2001年、コマツ社長に就任した私は、社内にこう号令をかけ、商品力強化に乗り出した。

この年(02年3月期)、コマツは創業以来初の最終赤字に転落する。何が原因なのか。経営の数字を徹底的に「見える化」したところ、海外の競合メーカーと比べて本社部門などの固定費コストが高すぎることが判明した。その一方、変動費である製造コストは常識的なレベルに収まっていた。