眠ろうとしても眠れない時はベッドから出てしまう

寝つけないときベッドのなかで“なぜ眠れないの?”と悶々と考えるのは避けてください。「眠れない」という不安や「寝ないといけない」というプレッシャーが、かえって感情を高め、脳や体は、ますます起きている状態に近づくようになります。

眠くなるのを待ってから寝室に行ったとしても、ベッドに入って長い時間寝つけなかったら、ベッドから出て、居間に戻ってしまいましょう。「そのうち眠くなるよ」と思いながら、居間で思索にふけるなり、本を読むなりすれば良いのです。

そして、また眠くなったら寝室(寝床)に行くことを繰り返せば、眠気は溜まっているので、スムーズに睡眠に入れるはずです。

当たり前のことかもしれませんが、寝室(寝床)は、眠るためのもので、「眠れない部屋」という嫌な思い出をつくる場ではありません。大事なことは、「眠れた」という成功体験を積むことです。

寝室の照明はできるだけ暗くする

YouTubeを見ながら、または音楽を聴きながら、いつもぐっすり眠れているという人は、これからの話は気にしなくても良いかもしれません。しかし、それらをあたかも快適な安眠を得るための方法だと言いふらしたりするのはやめてください。

そもそも眠りにつくには、「安心という環境」がつくられているかどうかがポイントになります。どういう状況が安心かは、人それぞれ違います。

ベッドで飲み物を飲む女性
写真=iStock.com/PonyWang
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寝室(ベッド)を「眠れた」という成功体験を積み重ねる場にするためには、温度や湿度とともに暗くて、静かという「安心」もとても大切です。

眠っているとはいえ、脳は動いています。光や音の刺激があると、「ここは危険。起きて対応しろ」と脳がさまざまなところに誤った指令を出してしまい、その結果、眠れなくなることがあります。

たとえば、寝室の照明はできるだけ暗くすることが重要です。30ルクス以上の明るい光は、睡眠の質を悪化させ、ぐっすり眠ることの妨げになります。

ちなみに、ろうそくの明かりは10ルクス(20cm離れた場合)程度、通常の居間の明るさは100ルクス以上もあります。防犯上、部屋を明るくしておきたいという人は、アイマスクを利用しても良いでしょう。寝室は最小限の明るさにとどめることがポイントです。