「ただ偉いだけの人」は孤独になっていく

【和田】稲田龍吉という旧東京帝国大学の教授が、そういう施設を作るならば、高齢者向けの医学・医療を日本にも確立しようと附属の診療所を設置しました。

当時の日本人の平均寿命は44歳くらいとされていますし、長生きできる人もそんなに多くはありませんでした。にもかかわらず、世界的に見ても老年医学がほとんどなかった時代に、あえてそうした施設を作ろうとした、稲田先生という人物の慧眼けいがんには、本当に驚きます。

その浴風会病院に、私も足掛け9年ほどいたのですが、お年寄りについて、さまざまなことを学ばせてもらいました。