子供をうまく叱るための5ステップ
▼ステップ1 許可を取る
「ちょっと遊ぶのをやめて、座って聞いてくれる」
いきなり叱るのではなく、子どもの許可を取りましょう。その際、できれば笑顔で、子どもに不安を与えないように。子どもの機嫌がいいときや落ち着いて話しやすいタイミングで切り出すのもひとつのアイデア。
そして、ここで忘れがちなのが、子どもがあなたの「許可取り」に対して「うんわかった」などの「了承」の言葉を発するのを待って、お互いの合意形成をすること。
こういった会話の冒頭の部分をおろそかにすると、あとの会話で齟齬や誤解が生じやすいので、面倒くさいとは思いますが、ぜひ丁寧に進めてみてください。
▼ステップ2 テーマを伝え、安全な場づくりをする
許可が取れたら、何について話すのかを具体的に伝えると安心します。たとえば、
「この前こんなことがあったよね。そのことなんだけど」
といった具合です。
▼ステップ3 感情を伝える
「少し心配しているんだけど」
子どもが一番気にするのは親の機嫌です。親自身の気持ちを伝えましょう。「今はもう怒っていないけど」などと「今」の感情も併せて伝えれば、さらに安心感が増します。
▼ステップ4 意思を伝え、合意を取る
まずはあなたの意思を伝えます。
「一緒に解決したいんだけど」など。
そして、「いいかな?」「一緒に話せるかな?」とあらためて合意をとります。
▼ステップ5 相手から先に話させる
「何が起きていたか、どんなことを考えていたか、教えてくれると嬉しいな」
そして、親はなるべく口を挟まず、子どもが話すのを待ちましょう。状況や事実関係だけでなく、どんな気持ちだったのか、どういう理由があったのかなど。
“大人向けの会話手法”は子供にも使える
いかがですか? 実はこの5ステップは、私が普段やっているコーチングでビジネスリーダーの方たちに、「部下にフィードバックを伝えるときの手順」としてお伝えしているものです。
慣れてしまえば簡単な手順なのですが、できていない方が多いものです。あなたは今、「えっ? 大人向けの会話の手法が、子どもとの会話に生かせるの?」と疑問に思ったかもしれません。
大丈夫。私自身が子どもとの会話にこの5ステップを取り入れてみて、効果を発揮することを実証済みです。
使ってみれば、「叱る」というハードルの高い会話が、とてもスムーズに進むようになりますので、ぜひ、使ってみてください。
なお、この5ステップは、叱りたいことがあったとき、直後に使ってもいいですし、時間が経ってから使ってもOKです。