子供の対人関係にも良い影響がある

これは、最近のリーダーシップ論の中で推奨されている「共創型」のリーダーシップの考え方と同じです。

上司が部下を率いるというスタイルではなく、上司も部下も対等な立場から忌憚きたんなく意見を伝え合い、チーム全体のメリットとなる行動をそれぞれが決めて行う、というやり方のことを指しています。

そして、そこにはお互いを承認し合うという文化があるのです。親が率先して、こういった承認をともなった会話を実践することで、子どもは承認を自分の会話の中にも取り入れ始めます。

子どもがこういった承認をともなった会話を覚えると、友だちの言葉を積極的に承認するようなコミュニケーションが生まれ、会話のやり取りがスムーズになるといったメリットがあります。

林健太郎『子どもを否定しない習慣』(フォレスト出版)
林健太郎『子どもを否定しない習慣』(フォレスト出版)

その結果、学校で友だちから、「○○ちゃんと話していると、すごく楽しい」とポジティブなフィードバックを受けやすくなりますし、ある意味「人気者」になれるのではないかと思うのです。

そして、その会話の技術を活用することで成人してからも、友人に恵まれ、伴侶と緊密な関係をつくることができ、上司やお客様に可愛がられ、同僚や後輩から慕われる人になれるのだと思います。

つまり、「一度承認する」という会話のパターンを学ぶことは、子どもにとって一生の財産になるということ。相手を承認することには、関係性を大きく育てる力があると覚えておいてください。

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