怒りは隠しても相手に伝わっている
「ごめんなさい」を伝えてくれた相手とうまくいかないときは、次のような失敗をよくやっています。ぜひ、自己チェックしてみてください。
① 怒っていないふりをする
相手が「ごめんなさい」を言ってきたときに、ものすごく腹が立ったり、イライラしたりしているのに、怒っていないふりをしていませんか。
隠したつもりの怒りやイライラは、おそらく相手に伝わっています。
それにもかかわらず、「全然、怒ってないから」「大丈夫だから」「平気」といった態度を示してしまうと、相手はそれ以上なにも言えなくなってしまいます。
怒っていないふりをすることは、相手にとっては「この人は、謝るチャンスすらくれない」という恐怖のメッセージになってしまうのです。
これでは、対話とは真逆のコミュニケーションになってしまいます。
怒りやイライラが強すぎて話す気にもなれないときは、最低限の承認のひと言を返して、気持ちが落ちつくのを待ちましょう。ほかにも、「『今は』話したくないから、そっとしておいてほしい」と時間を限定して壁をつくる方法もあります。
相手の「ごめんなさい」をまずは受けとる
② そっちも不快にさせてやる!
相手との関係には、次の図表のような4つのステージがあります(図表1)。
もちろん、目指したいのは、①「自分も相手も満足」の方向です。
ですが、「ごめんなさい」を言われ慣れていない人が目指してしまうのが、④「自分も相手も不満足」の方向です。
つまり、「あなたのせいで、私は不快になった。だから、同じように、あなたも不快にさせてやる!」というわけです。
あなたに「ごめんなさい」を言ってきたということは、相手は①の方向を目指そうとしてくれています。謝り方は、かなり下手かもしれませんが……。
こちらも、イライラしたり、傷ついたりしても、相手が大切な存在なら、最終的には①の方向に進んでいきたいはずです。
そのためには、前述のように、まず相手の「ごめんなさい」を受けとることが必要なのです。