謝られ上手は謝り上手
本稿では、「ごめんなさい」を言う側ではなく言われる側の技術について、つまり「人から謝られる技術」についてお話ししていきます。
私たちの日常では、自分が「ごめんなさい」を伝える立場になるときもあれば、相手の「ごめんなさい」を受けとる立場になるときもありますよね。実は、「ごめんなさい」を受けとる立場にも技術があるのです。
「謝られ上手は、謝り上手」
これは私の造語ですが、相手の「ごめんなさい」を上手に受けとることができるようになると、身近な人との関係性を、さらによくしていける可能性が広がります。
「ごめんなさい」の片道切符を「往復切符」にするイメージを持ってもらえるとわかりやすいかもしれません。
最初にお伝えしておくと、「ごめんなさい」を受けとる技術は、「ごめんなさい」を伝える技術と、とてもよく似ています。ほとんど同じと言っていい要素もあるし、なかには自分が謝るより難しい要素もありますが、人に謝る技術、人から謝られる技術、その両方を身につけることができると、「ごめんなさい」の循環が起こります。
もっと上手に謝れるようになる
ちょっと想像してみてください。
あなたが、これまでに学んだことを使って、だれかに「ごめんなさい」を伝えたとします。
きっと、あなたは、相手から「いいよ」「わかった」「もう大丈夫」といったポジティブな反応が返ってくることを期待しますよね。
ですが、現実には「許せない」「あなたはわかってない」「『ごめん』のひと言じゃすまない」といったネガティブな反応が返ってくることもあるでしょう。
そのときに、「なぜ、こんなことになるのか」「なぜ、相手は『ごめんなさい』を素直に受けとってくれないのか」といった相手の事情を理解しておくと、つまり、人から謝られる技術を身につけておくと、あなたはもっと上手に「ごめんなさい」を伝えられるようになります。
「ごめんなさい」を受けとる立場から、「こういうときに、人はどんな言葉をかけてほしいのか」を想像できるようになるので、相手も自分も幸せになれる会話が積みあがっていくのです。
これが「ごめんなさい」の循環です。