「次期総裁にふさわしい」1位は石破氏と進次郎氏だが…

“戦国”“群雄割拠”総裁選などという見方もあるようだが、実態はビジョンも魅力もない者同士の“ドングリの背比べ”総裁選である。

自民党/あいさつする岸田首相
写真=時事通信フォト
自民党福島県連との政治刷新車座対話であいさつする岸田文雄首相(中央)=2024年8月24日午後、同県いわき市

顔触れは、小林鷹之氏(49)、石破茂氏(67)、高市早苗氏(63)、小泉進次郎氏(43)、齋藤健氏(65)、上川陽子氏(71)、林芳正氏(63)、加藤勝信氏(68)、河野太郎氏(61)、茂木敏充氏(68)の10人。

野田聖子氏も出馬を模索しているようだが、推薦人20人の確保が難しいのではないか。
朝日新聞デジタル(8月26日)が「次期自民総裁にふさわしいのは誰か」という世論調査をやっている。

「石破茂元幹事長と小泉進次郎元環境相が21%で並び、トップだった。石破、小泉両氏に続いたのは、高市早苗経済安全保障相8%、上川陽子外相6%、河野太郎デジタル相6%、小林鷹之前経済安保相5%だった。茂木敏充幹事長は2%、加藤勝信元官房長官、野田聖子元総務相、林芳正官房長官は各1%、斎藤健経済産業相0%。『この中にはいない』が22%を占めた。

自民支持層でみると、トップは小泉氏28%で、石破氏23%、高市氏12%、河野氏8%、上川氏7%、小林氏5%などと続いた」

他紙もおおむね同じような結果である。

“キングメーカー”麻生氏はどう動くのか

要職を歴任したという意味では外務大臣、文部科学大臣、防衛大臣を歴任し、現在は官房長官の林芳正氏がナンバー1であろうか。

内閣官房長官、沖縄基地負担軽減担当大臣、拉致問題担当大臣、厚生労働大臣を歴任してきた加藤勝信氏、経済産業大臣や外務大臣、経済再生担当大臣を歴任し、現在自民党幹事長の要職にある茂木敏充氏も引けを取らないと思うのだが、なぜかこの人たちに対する有権者たちの認知度も期待値も低いようだ。

週刊新潮』(8月29日号)は茂木氏についてこう書いている。

8月14日、茂木氏は麻生太郎副総裁と食事をして、総裁選での支持を求めたのに対し、「ウチの派閥には河野がいるから難しい」と断られたというのだ。その後、旧自派閥から加藤氏が総裁選に出ることがわかり、「四面楚歌の状態に陥っている」(新潮)というのである。

だが、その後、麻生氏は自派の河野氏を支持するが、派閥内の議員が他候補の支援をすることは容認するといっている。これは、最後まで総裁選の行方を見ながら、勝てそうな候補に乗って、自分の権勢を保持したいという思惑からであろう。政界を長年生き抜いてきた“狸ジジイ”は、実にしたたかである。