胃バリウムX線検査が引き起こす悲劇
こうした検診学者の考え方を強く批判したのが、実際にがんを治療する臨床医たちだ。医療技術が進んでいる時代にもかかわらず、古い検査によって検診が実施された結果、早期発見できず、命を失う患者たちを診てきた。その一人が、消化器外科医の大和田進氏(元群馬大医学部准教授・現イムス太田中央総合病院消化器・腫瘍センター長)である。
「検診学者の主張する『過剰診断』は、甲状腺がんの一部で確認された話に過ぎません。
悪性腫瘍と診断されたがんは、全て進行して生命予後に影響します。例えば、胃がん検診は昭和時代から現在も『胃バリウムX線検査』が主流です。検診団体の大手が、このバリウム検査の見落としについて調査した結果、1センチ未満のがんは約7割、2センチ未満は約4割が見落とされていました。これに対して、内視鏡検査は胃の中を直接カメラで見るので、1センチの大きさを見落とす事は非常に少ない。
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