「自分の最期」について夫婦や家族ともっと話し合おう
先日も知人が、奥さんや子どもに「万一のことがあったら葬式は……」と話そうとしたら、「そんな縁起でもないこと、やめてくださいよ」と一蹴されたと語っていました。日本には、いまでも死を忌み、なるべく遠ざけようとする感覚が強く残っているのでしょう。
知人は、エンディングノートを書いておいても、その通りに実行してくれるかどうか……という不安も口にしていましたが、だからこそ普段から死についても率直に話し合っておく必要があるのです。
そのときの印象が強く家族に残っていれば、万一のときに、亡くなった人の遺志をないがしろにすることなどあり得ないでしょう。
NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」の調査(平成25年3月発表)によれば、自分の最期の医療について「家族に希望を伝えている人」は31パーセント。残りの3人に2人は、自分の思いどおりの最期を迎えられるかどうか、あやふやな状態になっているのです。
老いを深める中で夫婦や家族で死について語り合うことは、縁起が悪いわけでも何でもなく、ある意味、人生においていちばん大事な取り組みといえるのではないでしょうか。