「骨盤→背骨→胸→顔」の連動を意識する

さて、次に猫背をやめて、前方を見るように体勢を整えます。

【図表4】和式トイレ座りの状態で前方を見る
骨盤を回転させることで、背骨、胸、顔を同時に動かし、背筋のよい姿勢を作れる(出所=『読むと「全自動」で健康になるすごい本』)
奥中伸『読むと「全自動」で健康になるすごい本』(KADOKAWA)
奥中伸『読むと「全自動」で健康になるすごい本』(KADOKAWA)

すべての根拠は、骨盤にあり。猫背の起点は骨盤が後ろに回り落ちる動きでしたよね。今度はその逆に、骨盤は前傾方向に回転していきます。骨盤が回転する力によって背骨が押し上げられ、胸を反らせる力となり、その結果顔を上げることになって視線も上に移動する……ことになります。やはり、すべての起点は骨盤です。

目的は「前の壁を見るため」に猫背を解除することです。この「前の壁を見る」は、今後重要になりますので覚えておいてください。すべての起点は骨盤です。骨盤が動いた瞬間に背骨に力がかかり、胸を反らせ、顔が前を向きます。ほぼ同時です。骨が力を伝えますからね。これが順々に遅れてくる人は骨が使えていない人です。

最初はこの骨の連動が弱いので、意識して背骨、胸、顔が同時に動くようにしてください。そこがコツです。どうでしょうか? 和式トイレ座りなのに、やけに整った背筋のよい体勢になれます。

やりにくい姿勢だからこそ、いい練習になる

この一連の動作には、3つの目的があります。

・和式トイレ座りができないといけない理由を理解してもらう
・猫背(排泄の姿勢)になるには、しっかりお尻を落とすことが必要と理解してもらう
・その起点が骨盤にあることの実感を得てもらう

この和式トイレ座りでの骨盤の回転は「やりにくい」ものです。

だから行う。やりにくいのですが、本来は排泄の格好ですので、やりにくくてもできないといけないのです。だから行う。このやりにくい体勢で骨盤を動かそうとすると、さまざまな要求が入るので、いい練習になります。その結果、他の体勢でも骨盤をコントロールする力がつくのです。

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