どうすれば体の疲れはとれるのか。整体師の奥中伸さんは「姿勢の起点である骨盤を意識したほうがいい。猫背に悩んでいる場合でも、背筋を伸ばすのではなく骨盤を回転させることで自然と背骨も正しい位置に安定する。背骨が柱のように機能するようになれば、肩や背中のコリも改善していく」という――。(第1回)

※本稿は、奥中伸『読むと「全自動」で健康になるすごい本』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

骨盤が“回転”すれば姿勢は良くなる

まず、このイラストをご覧ください。左の人はすごい猫背で、右の人はシュッと立っていてカッコいいですね。まるで別人ですが、実は同一人物です。同じ人なのにここまで差が出ます。さて、その違いは何でしょうか?

【図表1】「骨盤」の角度の違い
骨盤の角度を変えるだけで、姿勢は見違えるように良くなる(出所=『読むと「全自動」で健康になるすごい本』)

そうです、わざわざ点線を引いて強調しているように、「骨盤」の角度が違うだけです。たったこれだけです。このように、すべての出発点は骨盤にあります。では、骨盤が「どうなれば」この違いが出るのでしょうか?

すでに赤い矢印で書いていますが、私の整体指導では必ずお客様に質問します。「骨盤が前傾している」「骨盤が立っている」など、なかなかいい線をいく答えもあれば、「骨盤がグイッとなっている」みたいに思わず力が入ったイメージで答える人もいます。実は多くの方の頭の中には、この質問の答えであり、大前提とも言える概念が入っていません。だからいい線をいっている答えは出てきても、正解はなかなか出てこないのです。

正解は「回転」です。骨盤は回転するものです。しかし、この「回転」という概念が、みなさんの頭の中にはないのです。確かに360度ぐるっと1回転しているわけではないので、「回転」というイメージがなかなか出てこないのは理解できます。けれども、骨盤の回転力がなければ、次に続く背骨の力が発揮されないのです。