1日1回以上、「和式トイレ座り」を習慣づけるべき

まず、和式トイレ座りは排泄の格好です。これができないとなるとウンコができないことを意味します。

動物で言えば生命の危機です。本当ですよ、それぐらい重いこと。では、和式トイレ座りができない人はどうすればよいでしょうか? 程度にもよりますが、手すりや頑丈な家具などを支えにして、和式トイレ座りを試してください。ひざが痛いなど、何か差し障りのある人は痛みが出ない範囲で試してください。

まずは「和式トイレ座りに向かうこと」を実行してください。ただしゃがむだけです。とにかくしゃがむ。まずその形になる。必ず必要な力がついてきます。これは特に小さいお子さんも一緒にやってほしいです。私からのお願いに近いです。1日に1回以上、和式トイレ座りをしてください。悪い格好、ダサい格好と思い込まずにやってみてください。

【図表3】和式トイレ座りの状態で猫背をつくる
骨盤を起点にして「きれいな猫背」を作る(出所=『読むと「全自動」で健康になるすごい本』)

続いて、しゃがんだ状態でさらに「きれいな猫背」をつくってください。どうですか? 和式トイレ座りそのものは簡単にできる人でも、この状態で「きれいな猫背」と言われるとどうでしょうか?

背中がきれいに丸まった猫背をつくってください。実際の現場でこれを言うと、かなりの割合で「顔を落として猫背っぽくする」人が続出します。これが思い込みです。顔を動かすとそれっぽい形をつくりやすいですし、普段から顔を動かす習慣がしみついているので、ついそうしてしまうのです。すべての起点は骨盤なので、猫背でも骨盤が起点です。お尻を回し下ろす感覚で、猫背を強調します。

きれいな猫背ができなければ、身体はリラックスできない

その結果、顔が下がって視線も下がります。視線が動くのは、あくまで骨盤が下がった結果であるべきなのです。顔から動かそうとする人は結果だけつくろうとすることになり、原因と結果がつながらない体になります。

まず和式トイレ座りになり、さらに猫背を強調する。この動作が骨盤を起点にして行えるなら、原因と結果がつながった「実力のある」きれいな体です。動かす量はほんのわずかです。思いっきりやってやろう、なんて思わないでください。ほんの少し猫背が強調されればOKです。

和式トイレ座りの状態で猫背になれないなら、あなたはリラックスできていません。排泄のときにリラックスできないと、体にはさまざまなストレスがかかります。きれいな猫背で和式トイレ座りをすると、直腸が立ち、肛門が地面に近づき、腸に血液を集中できます。これは気持ちのよい排泄の条件を多くそろえてくれます。

しゃがんで猫背になるには、足首のやわらかさも求められます。きっちりしゃがめて、さらにグチャッと猫背にもなれる。これは、かなり体が整っている証しなのです。