日本人に必要な習慣は何か。医師の和田秀樹さんは「総じて知的レベルが高い日本人の弱点のひとつが、アウトプット力の低さだ。プレゼンテーションが下手、ディスカッションが下手なのは、大学を卒業するまでの学校教育で、アウトプットトレーニングを積む機会が少ないことがある。コミュニケーションに関しても、『上手に話さなければ』の強迫観念ではなく、大事なのは話の中身だ」という――。

※本稿は、和田秀樹『60歳からは勉強するのをやめなさい』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

3Dレンダリングされた吹き出しアイコンに手を伸ばす人の手
写真=iStock.com/Wirestock
※写真はイメージです

定年退職後の男性は自己満足型の勉強法にハマりがち

本稿では、アウトプットについて、話を進めていきます。

アウトプット。

・自分の思考を発信していく生き方。
・伝えることによって人とつながっていくこと。
・アウトプットによって前頭葉を刺激し続けること。

これは、いままでの中高年を対象とした、各種勉強法にはあまりなかった視点です。

これまで男性の勉強と言うと、どうしても知識注入型の知的(ではなくてもそう見えがちな)書斎人を理想とするようなところがありました。

仕事以外の友だちも少なく、新しい交流を開拓する方法もわからない。そのため、たったひとつの選択肢として孤高の独学者を目指すというのが、本当の理由かもしれません。

それは、人と交流せず、思考をアウトプットすることなく、たったひとりで知識注入して完結してしまう、自己満足型の勉強法です。とくに定年退職後の男性はこうしたスタイルにはまりがちです。

和田秀樹の「超・健康」講座 無料公開中!