死を前に後悔せぬよう今から実行すること

私は緩和ケア医として、これまで約3000人の患者さんの最期と向き合ってきました。人というのはわりと楽観的で、これまでの日常がずっと続くと何となく思っています。しかし医療の現場にいると、必ずしもそうではないことを日々痛感します。

人はいつ死ぬかわかりません。もし近い将来に急に重い病気を告げられ、余命の話になったら、自分は何に後悔するだろうか。それを元気なうちに考え行動に移すことが、生き方のささやかな修正になり、後悔のない人生の完結につながると感じています。

ある末期がん患者さんは、笑みを浮かべつつ、こう言いました。「私はもう2周目です」

その方は根治しないと言われた時点で自分のやりたいことをリスト化し、実行。私と会ったときには、それが2周目に入っていたというのです。前の病院で余命3カ月と宣告されたという彼の表情は、とても穏やかでした。

なでられる猫
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他人に優しい人は最期に自らを救う

人は重い病気を患うと、人生の意味を考えだします。他人を蹴落として勝負に勝ち、成功を手に入れた人でも、決して勝利できないのが死です。

死を前にして、自らの人生を省みるのはごく自然な行為といえるでしょう。死を前にするとしばしば価値判断が変わります。中には「他人に優しくしなかったから、その罰が当たって病気になった」と思い込み、病床で後悔の念にさいなまれる人もいました。

他人に心から優しくできる人は、自分を許す心の広さもあって、死を前にしても後悔が少ないのかもしれません。

人への優しさが足りないと思う人は、優しさを意識して生きていくといいかもしれません。