カリフォルニアから企業と人を奪っている
テキサス州のグレッグ・アボット知事(共和党)率いるビジネスミッション団は7月に日本を訪問し、「テキサス州はビジネスを行うのに最適な州として、20年連続で全米第1位に選ばれている。また、経済発展でも全米第1位の成長を見せており、輸出は12年連続で全米第1位を保持している」とアピールした。
このようにテキサス州はイノベーションと活気に満ちあふれており、①ハイテク製造業、②航空宇宙・防衛産業、③バイオテクノロジー・ライフサイエンス、④エネルギー、⑤情報産業で発展を続ける、ビジネスに極めて有利な州となっている。
規制でがんじがらめとなり、経営コストや生活費の高騰が止まないカリフォルニア州から、多くの企業や人を奪っているのが現状だ。
暗号資産採掘業者の流入で軋轢
とはいえ、バラ色の話ばかりではないと、地元誌の「テキサス・マンスリー」が論評している。
州政府が小さいということは、住民サービスの質が低いということでもある。カリフォルニアのような教育や道路など公共サービスの行き届いた州と比較して、テキサス州の住民サービスに満足がいかない場合も多いようだ。
また、テキサス州では所得税がないが、その分固定資産税が高いことを不満に思う向きもあるようだ。
一方、新規に流入した人と既存の住人との軋轢も生じている。カリフォルニアなどからテキサスに転入した新住民は、潤沢なキャッシュで住宅を買い漁る。そのためテキサス州の住宅価格が吊り上がり、古参住民が追い出される結果を招いているという。
また、テキサス州の安い物価に引き寄せられて、電力を湯水のように消費する暗号資産採掘業者が大量流入していることも問題になっている。結果、停電や電気代の高騰、データセンターからの二酸化炭素排出量の増加が起こっているからだ。