介護や子育てにも「休息時間」は必須

なぜ、私たちは休息をとることに罪悪感をもつのでしょうか。それは、「休息=怠慢たいまん」という思い込みに縛られているからです。そのことで、過去に人から非難されたことがあるのかもしれないし、こんなことをしたら人から非難されるかもしれない、と勝手に思い込んで、自分自身を縛っているのかもしれません。

海原純子『幸福力 幸せを生み出す方法』(潮出版社)
海原純子『幸福力 幸せを生み出す方法』(潮出版社)

もちろん、休むのも休まないのも、個人の選択です。ただし、一つだけ言えることは、どんな役割であろうと、休息をとらなければ、パフォーマンスを上げられないということです。もしアスリートが、毎日40キロ以上走っていたら、いずれは体を壊して走れなくなってしまうでしょう。仕事や介護、子育ても同じで、良いパフォーマンスをするためには、疲労回復のための休息時間が必要です。

休息をとらずに、毎日深夜まで働き続ければ、過労とストレスで病気になってしまうでしょう。それどころか、過度のストレスで心を病み、子どもや親を虐待ぎゃくたいしてしまうケースもあります。今、流行のお掃除ロボットだって、充電しなければピクリとも働かない。機械でさえそうなのですから、人間にも充電時間は必要なのです。

休息は家族や周囲のためでもある

もし、あなたが親の介護をしているのであれば、介護保険にある「デイサービス」や「訪問介護サービス」などを積極的に利用しましょう。また、あなたが子育て中ならば、自分でなくてもできることは、どんどん人の手を借りましょう。ミルクを飲ませることぐらいなら、家族や友人などに手伝ってもらうこともできるはずです。人に頼めることは頼み、1日のうち1時間でもいいので育児から解放される時間を作ってみてはどうでしょうか。

休息をとることは、自分のためであると同時に、家族や周囲のためでもあります。だからこそ、知恵を絞って時間を作ることが大切です。ただし、「どれくらいの休息が必要か」は個人差がありますから、他人のことは気にせず、自分の体と相談しながら、決めていくしかありません。自分なりの休息ルールを決め、そのことをまわりにも理解してもらう。そうやって、自らのライフスタイルを自分の責任において作っていくことが大切だと思います。

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