「自分の体のことをよく理解する」のが大切

ここまで、私が実践しているリラックス法をご紹介してきました。しかし、どんな方法も、ただ漫然と試しているだけでは、効果は上がりません。効果的にリラックスするためには、ちょっとしたコツが必要です。

その一つが、「自分の体のことをよく理解する」ことです。

私も若いころは風邪ばかりひいていましたが、当時と比べると、年々、元気になっているような気がします。年齢相応の体力の衰えはあるにしても、自分の体の強みと弱みがだんだんとわかってきたからでしょう。「自分は何をすると疲れるのか」をよく理解して、弱点を補強していくことが大切だと思います。

たとえば、私は「今日は泳いだほうが絶対にいい」と思えば、どんなに仕事が忙しくても、なか抜けしてプールに出かけます。5分でメイクを落とし、10分間泳いだ後、5分で髪をかわかし、メイクに20分かける。近所にプールがあれば、所要時間はわずか1時間で済みます。こうしてリフレッシュした後、再び仕事に戻るのです。

とはいえ、誰もがプールに行くべきだと言っているのではありません。私がプールに通うのは、家でじっとしているより、体を動かしたほうがリラックスできるからです。自分はどうすればリラックスできるのか。まずはそれを知ったうえで、自分自身に合った方法を見つけることが大切です。

屋内プール
写真=iStock.com/miljko
※写真はイメージです

「時間を天引き」してリラックスする

もう一つのポイントは、「リラックスのための時間を積極的に作ること」です。

多くの人は、1日のなかで「余った時間」をリラックスのために使おうとします。仕事や家事、子育てや介護など、必要なことを全部やり終えてからでないと、リラックスのための時間はもてないと思い込んでいるのです。

しかし、これでは、よほど暇な人でないかぎり、自分のための時間などもてるはずもありません。そこでお勧めしたいのが、「時間を天引きする」ことです。自分のなかでルールを決め、給料から貯金分を天引きするのと同じように、リラックスのために使う時間をあらかじめ確保しておくわけです。

「夜10時からの1時間はストレッチにてよう」「週1回はプールで泳ごう」「1日10分ストレッチしよう」という具合に、「ここだけは自分の時間」と決め、すべてのことから解放される時間を作りましょう。そのためには、日単位・月単位・年単位で、リラックスのための時間をあらかじめプランニングしておくことが大切です。

とはいうものの、なかには、リラックスのための時間を作ることに罪悪感を覚える人もいます。「老親をデイサービスに預けて、自分だけ旅行に出かけるなんて、とてもできない」という人もいるでしょう。