1つ目は、勉強に必要十分な時間を確保すること。具体的にいうと、平日は1時間の自宅学習と、往復の通勤2時間はリスニング、それに昼休みは『ファイナンシャル・タイムズ』や『ウォールストリート・ジャーナル』の記事を10分間で2つ読む。土日は自宅でそれぞれ3時間ずつ学習する。推薦入試などで学生時代あまり英語の勉強をせず、文法に自信がない人は、これ以外に“評判のいい”文法書を1冊勉強する時間が必要です。

でも、平日は仕事が忙しくて週末しか時間がとれないので、3カ月ではなく1年かけて勉強するという考えには賛成できません。勉強する期間が長くなればモチベーションを維持するのが難しくなって、どうしても途中でダレてしまいがち。英語の勉強はピアノやスポーツの練習と同じで、間が空くと元に戻ってしまうので、週末だけというのは非効率なのです。

忙しいビジネスパーソンが毎日勉強するためには、友人とのつきあいや家族サービス、時には睡眠時間までも犠牲にしなければならないかもしれません。でも、それが一生続くならともかく、3カ月間だけの辛抱だと思ったら、耐えられないことはないはずです。

2つ目は、TOEICの情報を集め、対策を立てること。TOEICは英語力を測るテストといっても、問題のパターンはこれまで経験してきた大学入試や英検などとは明らかに異なり、特有のひっかけ問題もたくさん出ます。

そういうことを知らずにただ英語の勉強をしてもTOEICの点数は上がりません。正しい情報を集めるには信用できるセミナーやスクールに通う。また、実績のある著者が書いたTOEICの勉強の仕方に関する本を読んだりするといいでしょう。

3つ目は、いい教材を選ぶことです。書店の英語コーナーに行けば、TOEIC関連の参考書や問題集はいくらでも手に入りますが、その中身は玉石混交です。もちろん、それらのほとんどは英語の専門家によって書かれたもののはずですから、内容に間違いはないと思いますが、著者がTOEICの特徴をわかっていないと、絶対にTOEICに出ないようなところに多くのページを割いているようなケースも少なからず見受けられます。そういう本で勉強すると、労多くして功少なしという結果は目に見えています。3カ月で800点を取るには、無駄なことをやっている時間はないのです。