「1箱8個入りが11万円」で落札された高級椎茸

一方、最近では椎茸に関する研究開発が進み、特に生の椎茸が高級ギフト市場で注目を集めています。

この新しい動きは、生の椎茸に新たな視点を加え、椎茸をより一層魅力的なものにしています。特に次の2つの椎茸が高級ギフトとして注目されています。

・のとてまり

石川県の珠洲市、輪島市、穴水町、能登町だけで生産されています。直径8cm以上、肉厚3cm以上、巻き込み1cm以上の基準があり、認証基準を満たす商品は45%しかありません。石川県だけで流通する希少な椎茸です。

通常価格は1個4000円を超え、500gで2万3000円と高価格の品種です。

2024年1月の地震では、多くの椎茸が全滅しました。しかし、穴水あなみず高校の「のとてまり」の栽培プロジェクトで、地震後に復旧し収穫した「のとてまり」は金沢市中央卸売市場で競りに掛けられ、1箱8個入りが11万円という高値で落札されました。

旨味成分が通常の約2倍

天恵菇てんけいこ

徳島県で開発された椎茸の新品種で、全国で栽培している農家は20件のみです。直径7cm以上で肉厚、アワビのような食感で、旨味成分のグアニル酸が通常の椎茸品種と比べて約2倍含まれています。

アワビの酒蒸し
写真=iStock.com/bonchan
アワビのような食感(※写真はイメージです)

2015年にはグッドデザイン賞を受賞し、同じくFOODEX JAPANでは、「美食女子コンテスト」で最高賞グランプリという高い評価を受けています。

また、ドイツで開催された世界最大の食の見本市「アヌーガメッセ」に2回連続で出展し、欧州や米国(ニューヨーク)のレストランでも人気を博しています。

価格は1個あたり1000円から3000円で販売され、3個セットで1万円という高級贈答品としての位置づけがあります。