「カフェイン入り飲料」を飲んでもいい

ちょっとした水分補給の知識がある人なら、誰しもが異口同音に言うのが「カフェイン入り飲料は水分補給にはなりません」というフレーズです。

一見、正しいフレーズと思いきや、これは科学的根拠に基づいたものではありません。

ポットからカップに注がれるコーヒー
写真=iStock.com/kuppa_rock
「カフェイン入り飲料」を飲んでもいい(※写真はイメージです)

カフェインはコーヒー豆、マテ茶を含む茶葉、カカオ豆、ガラナなどに天然に含まれている食品成分の1つです。

カフェインの1日あたりの摂取量と主要摂取源は国や食生活により異なりますが、コーヒーと茶の2つが最も突出した摂取源とされています。

当然ですが、カフェイン入り飲料に含まれるカフェイン量は飲料により異なります。いくつか例を挙げてみましょう。

コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、エナジードリンクなどさまざまな飲料がありますが、厚生労働省の食品安全委員会から公表されているファクトシートにある各種飲料に含まれるカフェイン量は、次の表のとおりです。

カフェインには、適量摂取することにより頭が冴え、眠気を覚ます効果があるのは事実です。

ただし、過剰に摂取した場合には、めまいや心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気をもたらすこともあるので“適量”を心がけましょう。

からだがカフェインに慣れてしまっている

ご存知のように、カフェインには利尿作用があります。

私たちは、カフェイン入り飲料を飲むと尿意をもよおし、排尿によりからだの水分が奪われてしまいます。これが、カフェイン入り飲料は水分補給には適さないとされる理由です。

日頃からコーヒーや緑茶を主な水分として摂取している人は多いと思いますが、果たして、そういう人はみなさん、尿意が近くなっているのでしょうか。

じつは、そうでもないのです。その答えが、カフェインの利尿作用は人によって感受性が異なる、という事実です。

さらには、カフェインには耐性が付きやすいということも知っておきたい知識です。

例えば、緑茶やコーヒーを毎日のように摂取している人は、カフェインに対する利尿作用の感受性が低下している、つまり尿意をもよおしにくいのです。

からだがだんだんとカフェインに慣れてきて、適量に摂取しても尿意をもよおしにくくなるのです。