スポーツドリンク・経口補水液は必要ない

食事をしっかりとれていれば、食事中に含まれている電解質や糖分で十分に必要成分をまかなえます。

経口補水液やスポーツドリンクにはたくさんの電解質や糖分が含まれているので、食事に加えて摂取すると塩分や糖分の過剰摂取をまねきます。

黄色と青のスポーツ飲料
写真=iStock.com/leonori
スポーツドリンク・経口補水液は必要ない(※写真はイメージです)

その結果、血糖値が上昇したり、塩分過多で血圧が上昇したりする危険性が増します。

理想的な水分補給方法は、栄養価の高い食事を十分にとって、合間に水やお茶で水分補給することです。

子どもの熱中症対策も「食事」

夏になると保護者の皆さんは、子ども達の水筒に何を入れるか迷うことでしょう。その答えも「水かお茶」で大丈夫なのです。

スポーツドリンクを入れたくなる気持ちもわかります。しかし、糖分濃度が高い飲料はむし歯の原因になったり、血糖値を上昇させたりする危険性があります。

特に、熱中症対策にとって不利になるのは、血糖値上昇による食欲の低下です。食欲が低下して食事からの水分をとれなくなるのは本末転倒です。

必要水分量の半分以上は食事から摂取すべきです。

経口補水液を水筒に入れるのもやめてください。食塩過剰摂取になるだけです。

子ども達への熱中症対策のための食生活の指導は、以下のようにするのがよいでしょう。決して、塩分を余分に摂取する必要はありません。

①朝ご飯をしっかり食べる。夜に失った水・電解質を補給する。
②水筒の中身は水またはお茶。カフェインに弱い場合はカフェインレスで。
③お弁当・給食を十分にとる。午前中に失った水・電解質を補給する。
④休み時間だけではなく、授業中にも自由に水分摂取ができる環境を。