朝日を浴びられず、一日中憂鬱に…

そして、この時期のメンタルに影響を及ぼす最大の原因は、日照時間の減少です。太陽の光は、脳内で分泌されるセロトニンやドーパミンといった幸せホルモンの合成にとても重要な働きをしています。

朝日を浴びることで脳内にセロトニンが大量に分泌されますが、梅雨時は朝から太陽の光を十分浴びることができないため、セロトニンが十分増えず、朝から憂うつな気分になってしまうわけです。さらに、一日を通して日照時間が減っているのでセロトニンが増えません。

厚く暗い雲に覆われた空
写真=iStock.com/Armastas
※写真はイメージです

それと、もう一つとても大切なことがあります。日照時間の減少で、もう一つの幸せホルモンであるオキシトシンの合成に関わるビタミンDが減ってしまうことが、間接的に幸せホルモンの減少につながっているのです。

また、ビタミンDはセロトニン、オキシトシンの合成に関わるだけでなく、頭痛にも関係していることが、いくつかの医学論文にて示唆されています(※1)。つまり、ビタミンD不足が頭痛の原因にもなっているというわけなのです。

※1)The Vitamin D Role in Preventing Primary Headache in Adult and Pediatric Population J. Clin. Med. 2021, 10(24)

「隠れ栄養失調」にならないための知識

さまざまな栄養不足による「梅雨病」を改善、予防するために重要な7つの栄養素を紹介します。

①タンパク質

セロトニン、ドーパミン、オキシトシンという「3大メンタルホルモン」は、全てアミノ酸が原料になっています。セロトニンはトリプトファンというアミノ酸から、ドーパミンはチロシンというアミノ酸から、オキシトシンはアミノ酸が9個集まって作られています。そして、これらのアミノ酸の原料は全てタンパク質です。

現代の食生活は、特に炭水化物に偏る傾向が強いため、意識的にタンパク質を摂るよう心がけましょう。

②ビタミンB

それぞれのアミノ酸からメンタルホルモンを合成していくのですが、その際に補酵素としてそれを補助する重要な働きをしているのがビタミンB群です。特にナイアシン(ビタミンB3)とビタミンB6は重要な働きをしています。