マグネシウムは健康に欠かせないミネラル

⑥マグネシウム

マグネシウムにはタンパク質の合成や、神経伝達物質の制御、特に睡眠ホルモンであるメラトニンの合成には欠かせないミネラルです。また、エネルギーを効率よく使うためには、マグネシウムの働きは必須なので、マグネシウム不足は全身倦怠感や疲労感の原因となりますし、マグネシウム不足が片頭痛を引き起こす原因となっていることが、医学論文で報告されています(※5)

※5) Magnesium as an Important Factor in the Pathogenesis and Treatment of Migraine—From Theory to Practice Nutrients. 2022 Mar; 14(5): 1089

⑦DHA

DHAやEPAといったω-3系脂肪酸の摂取が、片頭痛を改善したり、不安障害やうつ病といったメンタルの不調にとても効果があるという医学論文が多数あります。ω-3系脂肪酸は、特に魚の脂に多く含まれています(※6、※7)

※6) High Dosage Omega-3 Fatty Acids Outperform Existing Pharmacological Options for Migraine Prophylaxis: A Network Meta-Analysis Advances in Nutrition Volume 15, Issue 2, February 2024
※7) Effects of Varied Omega-3 Fatty Acid Supplementation on Postpartum Mental Health and the Association between Prenatal Erythrocyte Omega-3 Fatty Acid Levels and Postpartum Mental Health Nutrients 2023, 15(20), 4388

主食中心の食生活は要注意

こうした重要な栄養素を摂るためには、日々の食生活から意識する必要があります。

1.タンパク質

タンパク質(肉・魚・卵料理・大豆製品)は、毎食、最低2品食べるように心がけましょう。動物性タンパク質には、鉄分も多く含まれていますので、特に、タンパク質は「肉」や「魚」などの動物性タンパク質での摂取をお勧めしています。特に、サンマやイワシ、サバ、アジ、マグロ、鮭といった魚の脂にはDHA、EPAがたくさん含まれているので、積極的に取り入れたいです。

朝、どうしても忙しいという方には、無調整豆乳がオススメです。牛乳と同等のタンパク質が含まれる上、大豆に含まれるイソフラボンという成分が抗酸化作用を持っているため、体内の酸化ストレスを減らす効果があります。

マスに入った大豆と豆乳
写真=iStock.com/masa44
※写真はイメージです
2.ゆるやかな糖質制限食

糖質の過剰な摂取は、ビタミンB群の消費につながりメンタルホルモンの合成を妨げます。また、血糖の乱高下をきたすことによって、特に低血糖症の際におこるアドレナリンなどの交感神経の緊張状態が、メンタルの不調につながることが多いのです。

炭水化物・糖質だけの食事、例えば、おにぎりだけとか、菓子パンだけとか、ラーメン・ライス、丼物、ピザ・パスタ+デザートのランチなど、主食中心の食生活は要注意です。朝と昼は、主食を食べ過ぎずにおかずもしっかりと食べましょう。そして、間食やお菓子の習慣はなくすようします。

特に、夕食は、主食はごく少量を摂取するようにして、おかずを中心にしっかりと食べましょう。その際には、揚げ物は、衣が炭水化物なのでNGと考えます。