紫外線予防がビタミンD不足につながる
③ビタミンD
ビタミンDはセロトニンとオキシトシンの合成に重要な役割を担っています。一方で、ビタミンD不足が片頭痛をはじめとした頭痛の原因になることが、多くの医学論文で発表されており、頭痛やメンタル不調といった症状には欠かせない栄養素です。(※2、※3)
※2)Vitamin D supplementation for the treatment of migraine: A meta-analysis of randomized controlled studies Am J Emerg Med. 2021 Dec:50:784-788
※3)Effect of Vitamin D supplementation on symptoms and C-reactive protein in migraine patients J Res Med Sci 20(5):p 477-482, May 2015.
紫外線を浴びることで体の中で構成できるビタミンですから、適度な日光浴が必要なのですが、炭酸ガス効果でオゾン層が破壊されて紫外線の影響が強くなっている昨今、皮膚がんや肌荒れの予防のため日常的に紫外線をブロックする習慣があります。そのため、現代の生活ではほとんどの人がビタミンD不足です。ビタミンDは食品から摂取することが難しいため、品質の良い天然由来型ビタミンD3のサプリメントでの摂取をお勧めしています。
ただし、骨粗しょう症のお薬として使われるビタミンD製剤は、高カルシウム血症や腎機能を痛める副作用もありえますので、それらの基礎疾患のある方には、絶対にオススメしません。海外の医学論文(※2)でも、Vitamin D Supplementation(ビタミンDのサプリメント投与)と表現されており、あくまでも天然由来型のビタミンD3のサプリメントにこだわってください。
梅雨から夏は鉄不足になりやすい
④鉄
鉄もビタミンB群と同様にアミノ酸からセロトニン、ドーパミンを合成する際の補酵素としてとても大切な働きをしています。また、鉄不足により酸素を運ぶ役割のヘモグロビンの品質が低下し、脳の酸素不足より血管の収縮や拡張をきたし、頭痛を誘発するのです。
鉄は汗と一緒に流れ出てしまうため、特に気温と湿度が上がる梅雨から夏は発汗による鉄不足に注意が必要です。重症の鉄不足の場合は、動悸・息切れ、めまいなどの症状がでるので気づきやすいのですが、慢性的な鉄欠乏の状態では自覚症状が乏しく、頭痛や肌荒れ、脱毛といった鉄欠乏を想像しない症状が中心のため気づきにくいのが特徴です。
慢性的な頭痛持ちの方は、鉄欠乏の可能性があり、「梅雨病」の予備軍の可能性があります。
⑤亜鉛
亜鉛もセロトニンの合成に使われる重要なミネラルです。亜鉛が不足すると、抑うつ症状が強くなったり、神経細胞の活性化が阻害されるため、記憶力の低下や認知症の進行などにもつながっていきます。
また、亜鉛不足と片頭痛が関連しており、サプリメントで亜鉛を補給することで片頭痛の頻度が改善したという医学論文での報告もあります(※4) 。
※4) Zinc supplementation affects favorably the frequency of migraine attacks: a double-blind randomized placebo-controlled clinical trial Nutr J. 2020 Sep 14;19(1):101