脳のメモリを食わずに2ケタ同士の掛け算を行う方法

ここで、一般的な「2ケタ×2ケタの計算方法」をおさらいしておきましょう。

学校で習ったのはおそらく、1ケタずつかけていって、あとで合算するという方法です。

たとえば、

25×12

なら、「25×10」「25×2」を行い、それぞれを合算するというものです。

【図表1】25×12の計算

また、すばやく2ケタ同士の掛け算を行う方法として、「インド式」掛け算というものもあります。

しかしこの本では私の習得した計算方法を習得してほしいので、やり方はいろいろあるということをお伝えするだけに留めたいと思います。気になる方は調べてみてください。

私がおすすめしているのは、以下のような方法です。

たとえば、

25×12=?

であれば、12を四捨五入して10にします。すると、

25×10=

になります。

これなら、比較的簡単に暗算できますね。答えは250です。

そして、その後、削った2を元に戻します。具体的には、

25×2

を計算します。これも比較的簡単で、50となります。

そして、最後に、

250+50

=300

となります。

いかがでしょうか。

実は、やっていることは学校で習った方法とほぼ一緒です。

【図表2】四捨五入を使った25×12の計算

違うのは順番です。

学校で習った方法は、「25×2=50」を計算し、「25×10=250」を計算し、最後にそれを合計する、というものですが、これだと最初に計算した答えである「50」を脳内で記憶しておかなくてはならず、これが脳のメモリを食ってしまうのです。

一方、「ざっくり暗算」のやり方は、

①どちらかを四捨五入してわかりやすい数にする
②掛け算を行う
③最後に、四捨五入した分を調整する

という順序になるため、脳内メモリをなるべく使わずに済むのです。

もう一問やってみましょう。

32×22=?

この場合、まずは22を四捨五入して、

32×20=640

とします。

そして、最後に調整を行うわけですが、22を20にしたということは、1割減らしたということです。ということは、逆に1割増やせば元に戻ります。

ということで、

640の1割増し(×1.1)=704

となります。

もっともこの場合、実際の場では「700くらい」で十分でしょう。

「ざっくりでいい」から、「ざっくり暗算」なのです。