大きな数字をわかりやすく捉えるコツは何か。経営コンサルタントの斎藤広達さんは「数字に強い人というのは、反射的に『@変換』して、大きな数字から問題点を考える習慣がついている。例えば国家予算114兆円のうち69.4億円の税金という数字を日本の人口1億人で割ると、1人あたり年間約70万円もの税金を支払っているという計算になる。『@変換』をすることで、114兆円という途方もない数字も『多い・少ない』が考えられる身近な数字に変換できる」という――。
※本稿は、斎藤広達『頭のいい人が使っているずるい計算力』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。
@変換でわかりやすい数字に置き換え、計算のハードルを下げる
数字に強い人は、自社の売上や決算額、顧客データ、ライバル企業の業績など、あらゆる数字を読み込んで、数字で話すことを心がけているものです。
しかし、数字そのものに苦手意識があると、
「金額が大きすぎてさっぱり頭に入ってこない」
「大きい数字を見ると、反射的に無理だと思ってしまう」
ということも珍しくないでしょう。もしかしたら、この本を手に取ってくれたあなたにもそのような経験があるかもしれませんね。
では、できる人たちはどのようにして数字に強くなったのでしょうか。
大きな数字をわかりやすく捉えるコツは、「自分事」にしてしまうことです。
本書では、そのための手法を「@変換」と呼んでいます。
たとえば、
・日本の国家予算114兆円
・トヨタ自動車の売上37兆円
といった国や企業の数字。
金額が大きすぎてよくわからない、と他人事になりがちです。
しかし、次のような数字はどうでしょうか?
・燃油価格高騰の影響を受け、光熱費が平均2000円の値上がり
・職員による300万円の汚職が発覚
・業績悪化により、今季のボーナスは30%減額が決定
生活費や税金、給与などの身近なお金であれば、自分事として真剣に捉えられる方も多いのではないでしょうか。
ということは、大きすぎる数字も自分に関係する数字、つまり「1人あたり」「1個あたり」といった数字に変換してしまえばいいのです。
実際に、大きすぎる数字を「@変換」で考えてみましょう。