変動金利は半年ごとに見直され、増えた分は元金に組み込まれる
変動金利には、金利が低くなると返済額が下がるというメリットがあるものの、逆に金利が上がれば返済額も上がってしまいます。適用金利は半年ごとに見直されるのですが、これが変わっても5年間は毎月の返済額は変わりません。
じゃあその間に金利が増えた分の利息はどうなるのかというと、「未収利息(まだ支払い期限が来ていない利息)」として元金に組み込まれていくのです。たとえば、2000万円借りて5年間順調に返済し続けたのに、いつの間にか金利が上がっていて気づいたら元金が2000万円以上になっていた、なんてことも起こり得るわけです。
2024年4月には、日銀がマイナス金利政策の解除を発表しました。そのため、今後は金融機関が変動型の住宅ローン金利を引き上げる可能性もあります。こうした変化から家計や資産を守るには、今のうちにできる限り繰り上げ返済をしておくことが大事でしょう。現在の日本の状況を見れば、新NISAや投資なんかよりも断然こちらを優先すべきです。
固定金利で借りた場合も老後資金がなくならないように注意
繰り上げ返済をすべきという点では、固定金利で借りている人も同じです。35歳で35年ローンを組んだとしたら返済が終わるのは70歳のとき。「退職金で払うから大丈夫」という人もいますが、そうすると老後資金がなくなってしまいます。これでは食べていけないでしょう。
しかも、数十年後も現在の平均額と同じぐらいの退職金がもらえるとは限りませんから、そもそも返済資金として当てにするのは危険です。ですから、投資に回せるだけのお金があるのなら、まずは住宅ローンの繰り上げ返済に充ててほしいと思います。
それが終わって家計に余裕ができたら、次にすべきは「貯金」です。投資は資産が増える可能性がある一方で減る可能性もありますが、貯金なら減るリスクはゼロです。物価高で実質的に目減りすることはあっても、100万円預けたら確実に100万円は残りますから。