強いのは、いまの仕事もきちんとこなしつつ、「5年後、10年後に新しい価値を提供してくれるかもしれない」と会社に思わせられる人材です。そうなれれば、滅多なことで会社は手放そうとはしません。

つまり、40代後半になったら、いま発揮している価値ではなく、将来会社に対して何をしてくれるかが最大の評価軸になると心得るべきです。あなたがプレーヤーとして会社に対して価値を出し続けられるなら、プレーヤーとしての道を究める。プレーヤーなのかマネジャーなのか、それを見極める時期ともいえます。

たとえば、新規事業開発でも社内活性化チームの立ち上げでも何でもいいのですが、会社の将来の価値につながる活動を始めてみましょう。ただし、スタンドプレーをやると嫌われます。それを防ぐには、その活動の軸を自分ではなく、部署全体、会社全体に広げることです。この活動をすることで、部署全体、会社全体がこうよくなるということを示して上司も巻き込んでしまう。それなら、出る杭を嫌う上司でもノーとは言わないはずです。

■受け身の活動は極力避ける

最近、趣味でピアノを習い始めました。仕事とはまったく違う脳を使うので、リラックス効果が絶大です。リラックスできる時間を持つことは、世の中に価値を出し続けていくための原動力にもなります。

仕事だけでなく、趣味や家事、育児もありますから、この年代は時間がないのが特徴です。大切なのは無駄な時間をつくらないこと。無駄な時間とは、自分が発揮したいと思っている価値と無関係な時間のことです。この場合の価値とは、仕事以外の価値、たとえば家族と過ごすこと、好きな趣味に没頭することなども含まれます。むろん、仕事の中にさえ無駄な時間があるはずです。

私は、やるべきことを1日単位のプランに落とし、うまくいかなくなったら修正して、必ず期限内に仕上げるようにしています。決めている番組以外、テレビも極力見ません。受け身の情報収集は、有用なアウトプットに結びつかないからです。

意識して海外に出るようにはしています。限られた時間の中でひとつ上の視点をもつには、海外に行って知見を広げることも有効です。