「リアル」「オンライン」「テキスト」を有効に組み合わせる

それでは、①リアル、②オンライン、③テキストの3つの方法を組み合わせて実施する場合を考えてみましょう。

これは、1つのコミュニケーション(1つの会議)ではなく、1つのプロジェクトを進める場合に有効です。

プロジェクトの開始は「リアル」

プロジェクトの開始時には、全チームメンバーがリアルで集まり、プロジェクトのゴール、目的、目標、タイムライン、役割等を共有します。この時に、ビジョンや方向性を深く理解し、全員が同じ目標に向かって進むことを確認します。

日常的なコミュニケーションは「テキスト」

日常的なタスクのアップデートや情報共有には、Slackなどのテキストコミュニケーションツールを活用します。これにより、各メンバーが自分のペースで作業を進め、必要な情報を適切なタイミングで取得できます。

週次または月次のミーティングは「オンライン」

週次や月次のプロジェクト進捗しんちょくのミーティングでは、全メンバーがオンラインで集まります。この時に、各自のタスクの進捗状況、問題点、改善点などを共有し、全体の進捗を把握します。

重要な決定やブレインストーミングは「リアル」
中尾隆一郎『業績を最大化させる 現場が動くマネジメント』(フォレスト出版)
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新たな方向性の設定、重要な決定を必要とする段階や、ブレインストーミングが必要な場合は、リアルでの集まりを設けます。対面でのコミュニケーションは、深い議論や新たなアイデアの創出に有効です。

このように、プロジェクトの設計では、これら3つの方法を効果的に組み合わせ、適切なタイミングで最適なコミュニケーション方法を選択することが重要です。

なお、すでに何度も仕事したことがあるメンバーが大半であるケース、あるいはオンラインでの仕事の仕方に習熟しているなど、メンバーの関係性によっては、「リアル」を「オンライン」で代替することも可能です。

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