テキストの優先利用・オンラインの次点利用

チャットツールを活用したテキストは、メンバー全員が同じ時間や場所にいる必要がないため、時間や場所の制約を大きく緩和します。また、これはメンバーが自分の都合に合わせて情報を活用し、作業を進めることを可能にします。

さらに、まさに「テキスト」として情報が残るので、メンバー間の情報共有の透明性を保ち、必要な情報が一元的に管理されるため、必要な時に必要な情報を取得することが容易になります。

一度発言された内容は後からも確認可能であるため、情報の見落としや誤解を防ぐことができます。

一方で、議論が必要な場合や、即時性が求められる状況では、テキストでは対応が難しい場合があります。そのような場合には、オンラインコミュニケーションが有効です。

全員が同時にオンラインで参加することで、リアルタイムで情報を共有し、議論を進めることが可能です。場所の制約は比較的少なく、メンバーが自宅や出張先から参加することも可能です。

これにより、物理的な移動時間を省き、効率的な会議運営が可能になります。

リアルは最終手段

それでも、全員が対面で会う必要がある場合もあります。

新しいプロジェクトのキックオフ、重要な決定を伴う大規模なミーティング、深い議論やブレインストーミングが必要な場合などです。

リアルコミュニケーションは、ボディランゲージや微妙な表情など、非言語的な情報を共有することが可能で、それによって深い理解や共感を生み出すことができます。

しかし、時間や場所の調整が必要で、移動時間も発生します。

オフィスで会議するビジネスパーソンのグループ
写真=iStock.com/itakayuki
※写真はイメージです

以上のように、③テキスト→②オンライン→①リアルの順に優先的に利用することで、それぞれのコミュニケーション形式の利点を最大限に活かし、無駄な時間や手間を省き、プロジェクトの効率を最大化することが可能になります。

最後に「現場を正しく把握する」という観点でいうと、③テキスト、②オンラインに軍配が上がります。それは「現場の生の情報」が残るからです。

テキストは、文字通りテキストが残ります。オンラインは、オンライン会議で容易に録画情報が残せます。もちろんリアルも録画は可能ですし、議事録やその簡易版の議事メモを残しているケースもありますが、手間とコストがかかります。

経営者や、上司の上司が「現場を見る」場合には、③テキスト、②オンラインでコミュニケーションをしてくれた方がよいのです。

新たにその組織に加わった異動者や新人などがいた場合についても、現場の生の情報が残っているのは、きわめて重要なインプットになります。

この観点からも「③テキスト→②オンライン→①リアル」の順で考えるのは有効なのです。