間取りの肝になるリビングはどう設計すべきか。一級建築士でYouTuberのげげさんは「一般的には『南向き』がいいと言われるように、私もまずは日射の取得や採光を考えたうえで南向きでリビングを検討し、さらには『2階リビング』を提案する。ただし、南側の建物との距離がとれなかったり、ゴミ捨て場といった『みたくないもの』が南側に来ている場合、南向きは不向きだ。その際には、道路側などなるべく空間のある方角へリビングを開くようにする、吹き抜けや高窓を設けて採光を増やすといった工夫で居心地のいいリビングを作ればいい」という――。
※本稿は、げげ『後悔しない家づくりのすべて』(サンクチュアリ出版)の一部を再編集したものです。
一生後悔! 「不幸になるリビング」3選
間取りの検討にあたり、私たち住宅の設計者がまず考えるのが、リビングの位置です。
リビングは、家族がいちばん長い時間を過ごす、みんなの居場所。だからこそ、住人がもっとも心地よく過ごせる空間になるよう、大切に設計するのです。
リビングの配置は、窓の位置と大きさ、季節による太陽の動き、内と外の視線のコントロール、庭との関係といった複雑な要素を検討せねばならず、家ごとに最適解が異なります。
ただ、明らかにおすすめできない「不幸になるリビング」というものが存在します。もっとも長い時間を過ごす場所の居心地が悪くなったら、一生後悔することになりかねません。そんな「不幸になるリビング」の代表例を、紹介しておきたいと思います。
まずは、「一生、隣家の外壁を眺めるリビング」。
ここでいう隣家の外壁はあくまで一例であり、他にも道路を通る人の姿や、ゴミ置き場、廃墟といった「見たくないもの」が目に入るようなリビングの配置は、まず避けねばなりません。