風土ができれば数値は不要になる

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冒頭の古森氏は、「TOEICスコアが高いからといって海外で1人前にビジネスができるかというと、それは違う。だから、スコア取得を人事制度に組み込むかどうかについて、ためらう人事担当者が多い」と打ち明ける。仕事そのものができるかを評価するのが昇格であって、「評価制度として組み込んでしまうと本末転倒」という声が聞かれるという。

「スコアの取得を目的にするのではなく、それを変化のためのツールと捉えている経営者が多いのではないか。一定期間、数値目標を掲げることで社内に自主学習の風土が生まれる。風土が生まれれば、数値は要らなくなる。いまは過渡期だろう」(古森氏)

英語力を重視する傾向は、企業が成長を諦めない限り続くと古森氏はいう。企業トップのなかにも、留学、海外駐在など、国際経験を持つ人が増えてきた。

「IRをはじめ、トップが自分の言葉で説明できることは、グローバルで勝負していくなら必須」(古森氏)という時代だ。国内市場が縮小していくなか、成長の糧を海外に求める企業の社員には、英語は避けて通れないスキルとなっていくだろう。

※すべて雑誌掲載当時

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