世界を夢中にした「マーフィー博士の夢実現の4ステップ」

デール・カーネギーと同じように自己啓発の大家として知られる人物に、心理学者でもあったジョセフ・マーフィー博士がいます。

博士の有名な言葉といえば、これでしょう。

あなたの人生は、あなたが思い描いた通りになる

博士はカーネギーと同様に、科学的には潜在意識の効果について研究した人物です。「人間は、自分が幸せになれると思うと、幸せになれる」という考えで、その具体的方法は、次のとおりです。

① 自分の望むことをうまく想像する
② そのことを考え続ける
③ 実現を信じる
④ 行動する

こうした方法論は、科学的とは思えないかもしれません。でも結局、自分自身が「できる」と思えることは、さほど現実離れしたことではない、ということでもあるのです。

だから、それに向けて努力を続ければ、よっぽど自分の能力を超える荒唐無稽なことでもないかぎり、目標を実現することは可能なのです。

青空の下で大きく手を広げる女性
写真=iStock.com/bee32
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人類全体のレベルを引き上げた大谷翔平の態度

たとえば、大谷翔平選手が登場するまでは、世界の最高峰のメジャーリーグで、「一人の選手が、ホームランバッターと先発ピッチャーを両立させる」などということは、誰も考えませんでした。

しかし大谷選手自身は、自分はそれが「できる」ことを疑いませんでした。だから、さまざまな困難を乗り越え、誰もが認める二刀流のスター選手になることができたのです。

さらに重要なのは、ここからです。

大谷選手がこれを実現したことで、「自分にもできるはず」と信じることができるようになった二刀流の若手選手が、アメリカでも日本でも続々と登場したことです。大袈裟に言えば、大谷選手は、自分自身を信じさせることで多くの人の新たな能力を覚醒させ、人類のレベルを引き上げたのです。

信じることで能力が覚醒する例は、身近なところにも転がっています。

一例として高校の部活などでは、たとえばバレーボール部が全国優勝を果たすと、同校のほかのスポーツ部も、のきなみ強くなることがあります。

なぜなら、「バレーボール部にできたのだから、自分たちにもできるだろう」という意識が、「できない」という思い込みの枠を外すからです。

もっと多くの人の才能が覚醒した例としては、昭和の歌謡界で、なかにし礼や阿久悠という天才的な作詞家が世に出てきたことを挙げることができるでしょう。

彼らに追いつけ追い越せとばかりに、綺羅星きらぼしのごとく優れた作詞家・作曲家が続々と歌謡界に現れ、昭和歌謡の黄金時代を築きました。

それ以前の日本で流行した曲の多くは、演歌調のものや、海外のヒット曲をカバーしたものか、欧米の曲調を真似たものでした。

しかし、昭和の高度成長期になると、「これからは日本の時代だ」と、日本中が躍動しはじめます。そんなタイミングで、天才作詞家や作曲家が登場したので、「自分もあんな曲をつくりたい!」「自分にもできるはず」と、皆が目標や自信を持ったことで、多くの人の才能が一気に開花したのです。

自分を信じることの力は、これほど偉大なのです。