大谷翔平、なかにし礼たちと同じ鍵があなたの中にもある
私たちの夢や目標を実現することを妨害しているのは、いえ、夢や目標を持つことすら阻んでいるのは、無意識下にある「できるわけがないという思い込み」や「常識」、「自分の力を信じていない状態」です。
そして、この「できるわけがない」と思う根拠となっているのが、自分で「欠点」だと見なしている部分です。
「うちみたいな田舎の高校は、全国大会に行けるわけがない」
「大した学校も出ていないのだから、社会に出たって成功するわけがない」
「なんの取柄もないダメな自分が、幸せになれるわけがない」
これらはすべて、自分自身が勝手に欠点だと見なして、勝手につくりだしている幻想です。しかし、どれも視点を変えれば、いくらでも長所になり得る材料なのです。
「田舎だからこそ、広い土地でいろいろなトレーニングができる」
「有名大学を出た人とは、違う視点を持てる」
「なんの取柄もないから、これからさまざまなことが上達できる伸び代がある。あるいは、庶民感覚があるから、多くの人に愛される商品がつくれる」
――という具合に。人それぞれ個性があるので、100人が100人、大谷翔平選手や天才作詞家とまったく同じような活躍ができるという意味ではなくて、各人の個性や才能はそれぞれであり、あなたにはあなただけの力がある、ということです。
そして、その力を覚醒させる鍵は、「自分を信じる」ことにあるのです。
年齢という「欠点」を、すべての高齢者からなくしたい
さらに加えると、人は年をとると“欠点”を過大に考えてしまいます。
「もう今さら、○○はないな。皆の笑いものになってしまう」
「この年齢になったら、年甲斐もなくもう○○なんてできないな」
「今から○○をやって、どうなるというのだろう。残りの人生は少ないのに」
実際には、高齢になってから年齢相応のモデルや研究者になったり、プログラマーや作家になったりする人はいます。しかし大多数の人は、自分にそんなことができるとは思っていません。
しかし私たちは、気力や体力はなくとも、知識がある状態からスタートできるのです。子どもがゼロからスタートする大変さに比べれば、どんな人にもアドバンテージがあるのです。
私自身は、著述家として知られるようになったのは、ある程度の高齢になってからでした。医学者としての知識はありましたが、だからといって、本を出したいと思っても、すぐに出せるわけがありません。
「どんな本が求められているのか」「どんな著者が人気を集めているのか」といった出版界の情報を集め、編集者たちからボロカスにダメを出され、ヨレヨレを通り越して息も絶え絶えになりながら、試行錯誤した末にやっと本が出せるようになり、現在にたどり着いたわけです。
オリジナリティーを出すために、海外の文献も含めた専門外の論文もたくさん読みました。そうした泥臭い過程を知れば、「なんだ、高田だって、そんなに苦労してやっていたのか。だったら、私にだってできるのではないか」と、考える人も多いのではないでしょうか。
そう思っていただけるなら本望で、私は年齢という「欠点」を、すべての高齢者からなくしたいのです。
自分に限界をつくってはもったいない。
限界をつくれば何もできなくなる、と思うべきです。
年をとるごとに、経験を積み上げている自分をもっともっと信頼しましょう。