「頂上に立つ」ことだけがすべてではない

登山の魅力、醍醐味だいごみは、人生にたとえることができます。

歩き出す前のふもとでは、不安と期待が入り交じります。登るにしたがって苦しくなります。途中でやめたくなることもあるでしょう。

途中でハーハー、ゼイゼイとあまりに呼吸が苦しくなったら、少しペースダウンしたほうがいいですね。でも、立ち止まることなく、どんなにゆっくりでも、一歩一歩でも足を前に出していれば、いつか山頂に到達します。

三浦雄一郎『90歳、それでもぼくは挑戦する。』(三笠書房)
三浦雄一郎『90歳、それでもぼくは挑戦する。』(三笠書房)

苦労や困難を乗り越えて山頂に立てば、視界は一気に開け、その達成感はどんな言葉をもってしても言い表せません。

いつの時代でも、山は人間のチャレンジ精神の発露の場であり続けるのです。

三浦家の場合、オヤジから孫たちまで親子四代で山とスキーを楽しんできました。山が好きで、山を歩くことが大好き。そこにスキーが加わっているわけです。

それは非常に有意義なことですし、少なくとも、街でブラブラ、家でごろごろしているよりは、はるかにすばらしい時間を過ごしてきたと思います。

いまは中高年で登山を楽しむ方が多いようですが、すばらしいことだと思います。

もっとも、若いころのようにガンガンと登ることはできませんし、途中で山頂を諦めなくちゃいけないこともあるでしょう。

でも、登山というのは「プロセス」を楽しむことが大事で、なにも頂上に立つことだけが目的ではありません。

そうやって、「無理なく安全に、息の長い」山登りを存分に楽しんでいただきたいと「同志」たちにエールを送ります。

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