2011~2021年は米国株の年次リターン1位が3回

ウェルスナビが組み入れているさまざまな資産を対象に、2011~2021年の間のリターンを見てみましょう(図表8)。

【図表8】2010年代の米国株のリターンは相対的に高かった 柴山和久『新しいNISA投資の思考法』より
【図表8】柴山和久『新しいNISA投資の思考法』より

米国株が1位になっている年が3回あり、相対的にリターンのよかった年が多かったことがわかります。

やはり米国株だけに投資をしていれば、高いリターンを期待できる――そう感じた方も多いかもしれません。とくに、つみたてNISAが始まった2018年の翌年以降は、20%を超える高いリターンを記録していましたから、なおさらです。

2000~2010年の米国株は金・不動産以下のパフォーマンス

では、次に10年さかのぼって、2000年代の資産ごとのリターンを見てみます(図表9)。

【図表9】2000年代の米国株のリターンは相対的に低かった 柴山和久『新しいNISA投資の思考法』より
【図表9】柴山和久『新しいNISA投資の思考法』より

米国株が最下位になっている年もあり、相対的にリターンは低かったことがわかります。この時期には、不動産や金などのパフォーマンスがよい年が続きました。

20年あまりのデータを見てわかることは、毎年のように、資産ごとのリターンの順位は大きく入れ替わっているということです。米国株に限らず、ほかの資産であっても、1つの資産に集中して投資して、高いリターンを得られ続けるかどうかはわかりません。

1つの資産に集中することは長期的には高いリスクの可能性

「最近好調だから」という理由で選んで1つの資産に集中すると、実は長期的には高いリスクを負っている可能性もあります。

資産を分散しておくことで、1つの資産に集中して投資するよりも、リスクを抑えることができます。分散することで、ある資産の価格は下がっていたとしても、別の資産の価格が上がって、全体ではリスクを抑えてリターンを狙うことができます。

とくに、株式だけではなく、株式とは異なる値動きをする債券などの資産に分散しておくことが重要です。株式の相場が悪いときには、債券のパフォーマンスがよくなることが多くなります。

リスクを抑えて長く投資を続けるためには、資産の分散が重要なのです。

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