2023年下半期(7月~12月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。年金・投資部門の第1位は――。(初公開日:2023年8月9日)
資産を効率よく築くにはどうすればいいのか。実業家の堀江貴文さんは「コスパの悪いものは買うべきではないし、そんなものを扱う店には近づくべきではない。代表的なのが、街中でよく見かけるあの場所だ」という――。(第1回)
※本稿は、堀江貴文『2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全』(徳間書店)の一部を再編集したものです。
がん保険はどんどん値上がりする
今後の日本では、がん保険の保険料がどんどん値上がりしていく。がん保険が成り立つ仕組みから考えると、その理由はすぐに理解できる。
がん保険にかぎらず、そもそも保険とはリスクヘッジの仕組みだ。世の中には、めったに起こらないものの、かりに自分が起こしてしまった場合、個人ではリスクを背負いきれないアクシデントというものがある。例えば、失火(過失による火事)や自動車事故がそうだ。数百万円、数千万円、場合によっては数億円単位の賠償金を請求される。個人では到底まかなえない。
だから事前にリスク分散しておく。みんなであらかじめお金を出し合って協力する。そのいわば元締めとなるのが保険会社だ。保険会社は加入者から少しずつお金を集め、個々人の「もしも」のときに備えるわけだ。
失火や自動車事故などは「めったに起きないからこそ、加入者の保険料は少しで済む」とも言える。
がん保険はリスクヘッジとしては割高
しかし一方、がんは「国民病」といわれ、じつに国民の2人に1人が罹るとされる病だ。めったに、どころか頻繁に起きる。頻繁に起きるぶん、がん保険から拠出される治療費の全体総額はかさむ。そしてその治療費(給付金)をまかなっているのは、ほかでもないがん保険の加入者たちだ。勘の良い人なら気づくと思うが、がん保険という仕組みは加入者にとって合理的ではない。リスクヘッジとして単純に割高なのだ。
私は自宅や自動車を所有していたときには火災保険や自動車保険に加入していた。でも、がん保険には一度も加入したことがない。もちろん今後も加入する気はない。