成功や達成を追求する人は、「のめりこみすぎ」に注意!

【ゆかり】ちなみに、この三段重のバランスって、どんな人でも一緒なんですか?

【先生】はい、同じです。ただ、どの幸せに重きを置くかは人によって異なります。ヨガや瞑想めいそうをしているとき、つまりセロトニン的幸福に最も価値を感じる人もいるでしょう。「仕事をしているときが一番幸せ」と感じる人もいるでしょう。

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【ゆかり】ですよね。仕事が大好きで、いくらでも働きたいタイプの人は、仕事に邁進するのが幸せなんじゃないですか?

【先生】いくら好きなことでも、「やりすぎ」や「のめり込みすぎ」はよくないんです。私の周りにも、睡眠時間を削ってでもいくらでも仕事をしていたいという人がいますが、だいたい、数年後には心か体を壊しています。

【ゆかり】楽しくても働きすぎてはいけないんですね。

【先生】はい。仕事だけではありません。適度な運動は体によいですが、やりすぎは健康を損ないますし、恋愛ものめり込みすぎると依存症になります。

【ゆかり】恋愛体質すぎるのも考えものってことですね。何事もほどほどに。

【先生】逆に、自己成長をまったく求めなければ、それもまた行き詰まってしまいます。セロトニン的幸福やオキシトシン的幸福も、そればっかりではよくないんです。

【ゆかり】そっか。3つの幸福をバランスよく生活に取り入れるのが大事なんですね。

【先生】どの幸せに価値を感じるかは、性格やその人のそれまでの経験によっても変わりますから、人によって3つの幸福のバランスが多少違うことはあるでしょう。とはいえ、この三段重理論のバランスが人間として健全といいましょうか、安全であることは間違いありません。

【ゆかり】ありがたや! 三段重、おいしくいただかなきゃ損ですね!

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