それは相手が言ったことか。それとも妄想か
その後、「妄想と現実の切り分けができるようになって、気持ちが安定しました」と報告してくれたT子さんだったが、またしても「彼が~してくれない」という妄想に陥ることになる。
つき合い始めて半年ほどが過ぎたが、彼が自分の家に招いてくれないのが不安なのだという。「家によんでくれないということは、将来のことは考えていないということでしょうか」とまたもや妄想に走るT子さん。そこで、もう一度「妄想からの脱却ワーク」をやってもらった。
T子さんが書き出した「不安・不満」は次の通りだ。
・家によんでくれないということは、彼は私との結婚は考えていないということ?
・家に行ってみたいけれど、そんなことを言ったらひかれるかもしれない。
「この考えは、私を幸せにする?」と自分に問いかけ、「いいえ、どれも彼が言ったことではなくて、私の妄想でした」ということに気づいたT子さん。無事に、ネガティブな妄想を手放すことができた。
妄想から脱却すると、シンプルに「自分が望んでいること」が見えてくる。「彼の家に行ってみたい」と望むのは、T子さんの自由だ。そして、その望みは彼に伝えなければ伝わらない。まずは伝えること。もちろん、そのうえで相手がその望みを断ることも自由だ。相手に望んでいることを無視されたり、断られたり、「結婚は考えられない」と言われたら、「それなら、別の人を探す」のか、「それでも、彼との関係を続ける」のか、自分で決断すればいい。
T子さんは、ネガティブな妄想が浮かぶたびに、「妄想からの脱却ワーク」を繰り返した。すると、「望んでいることや思っていることを、素直に相手に伝えられるようになりました」という。つき合って1年もたたないうちに2人は一緒に暮らすことになり、1カ月後には入籍をした。
「不思議なことに、結婚と同時にお給料も上がったんです」とT子さんは報告してくれた。自分の望みに素直に向き合うようになると、恋愛だけでなく仕事も好転するというのは、よくあることだ。
婚活女性だけでなく、既婚女性の中にも、相手の気持ちを勝手に想像して落ち込んだり、勝手に期待して失望したりする人は多い。そんな「妄想ぐせ」は、一刻も早く手放したほうがいい。相手の気持ちはコントロールできないが、自分のマインドは変えることができる。「この考えは、私を幸せにする?」と問いかけて、自分で自分を幸せにする習慣を身に付けてほしい。