AIの登場で仕事は減る?

→減ることはないと思います。ただ仕事の内容自体は変わっていくでしょう
『プレジデントFamily 2024冬号』
『プレジデントFamily 2024冬号』

今の子供たちは将来AIに仕事を取られてしまうのではないか? と心配する親御さんが少なくないですが、その可能性は低いです。なぜなら、AIは人間に指示をされて初めて動くことができるから。AIは自分がミスをしても、前もって指示されていないことには気づけません。臨機応変な対応ができないことがAIの弱点です。

これからは“AIに仕事を与える”新たな職業がたくさん生まれていくでしょう。逆に、ただ指示をこなしていくような仕事の多くはAIが担うようになります。

これは、危険な炭鉱などでの作業を、人の代わりに機械が担うようになったのと非常に似た構図で、これまでもあった変化の一つ。AIの根本的な役割は、ライプニッツが考えたころからほとんど変わっていないのです。

ChatGPTの開発にも算数が役立っている!
「AIに使われているプログラムには必ず数式や数字が出てきますし、AIを使った機械学習には統計が使われています。算数や数学は、物事を論理的に考える力を育む学問。文系、理系を問わず、算数を学ぶことはAI開発にとどまらない多くの分野で役立つでしょう」(松田先生)
〈おすすめ使用例〉

子供編 調べ学習や探究学習の手順や段取りをアドバイス

「読書感想文を書いて」「このメールの返事を書いて」といった答えをChatGPTに求めるのも、僕は反対派ではないのですが(今でも実はインターネットで似たようなものは調べられるし、読書感想文の書き方がわからない子にとっては「こういう要素を書くものなんだ」というインプットになるので)、親御さんの「作文する力が育たないんじゃないか」という心配もわかります。

そのような場合、ChatGPTに“答え”を求めるのではなく、子供が自分で考えて行動するためのサポートを依頼してはいかがでしょうか?

例えば、探究学習をする際に何からやればいいか全くわからない、といった状況で「調査や発表を行うのに、どのような行動を、どのような手順で行うのが良いか」といったタスク出しをするのがChatGPTは得意です。「〜を10個教えて」などと数を指定すると、流れに沿って、箇条書きでわかりやすく示してくれます。

専門的な質問に答えるときは難しい言葉で返してくることもありますが、そういうときは「小学生にわかるように説明してください」などと一言添えるだけで、ぐんとわかりやすく説明してくれますよ。(松田先生)