大人数で発言できなければ「会議の前後」を狙う

②6人以上の会議

5人くらいまでなら同調するだけでなんとかなりますが、それ以上の会議、たとえば40人程度が集まる会合だと、沈黙戦略はほぼ無意味でしょう。

大勢の前で話すのが苦手なら、会議の前後でポジションをとる方法もあります。

みんなに注目されるような視点やデータがあるのでしたら、必ずしも会議の発言で披露しなくてもかまいません。たとえば会議前か終了後にメールだったりSlackだったりで、補足情報をみんなに共有するという方法もあります。

そこで「会議の場では発言していなかったけれど、有用な情報を出してきた人だ」と認識されると、ほかの会議でも「○○さんも言いたいことない?」とか「情報ある?」と、聞かれるようになります。会議で発言しないのに、自然と会議のキーマンになっていくんですね。

だから、話に割って入るというスキルは、べつになくてもいいと思うんです(あったほうがラクではありますが)。「気が弱くて話に入れない」のであれば、あらかじめ役立ちそうな資料を送っておくだけでも、周囲の見方は全然違ってくるはずです。

会議や話し合いをする前に“答え”は出ている

仕事でもプライベートでもそうですが、だいたい会議や話し合いが始まる前には、もう答えは出てしまっていることも多いです。

たとえば、「旅行の行き先を相談したい」とキラキラした目で子どもに言われた時、子どもにはすでに行きたい候補があるんです。不穏な空気でパートナーから「大事な話をしたい」と言われたら、相手はもうあなたと別れることを決めています。

仕事の会議でも、議題は前もって周知されることが多いです。そしたら、「どういう話になるだろう」とか「こういう資料が必要だろうな」といった想定はできる。なので「たぶん上司はこういうことを言うだろうから、そのためにこういう資料を持っていこう」というシミュレーションをしておくとか、やるべきことが見えてくると思うんですよね。

たとえば会社の海外進出について、ヨーロッパにするべきかアメリカにするべきかというのを、その場で説得していくのは難しいと思うんです。

でも自分で前もって調べておけば、「ヨーロッパのほうが潜在顧客が多い」とか「あの国には日本企業の製品の展示会をやっている企業がある」といった判断の材料は準備できます。

そういう資料を持っていくだけでもいいし、さらにもう一歩進んで、「この資料によると、ヨーロッパのほうがうまくいく可能性が大きいです」と主張することもできます。