「次の言い掛かり」を考える静岡県

ことし3月、大井川利水関係協議会が開催され、市町長らが東電の条件を了解した。しかし、森副知事はいったん預かると逃げてしまう。

田代ダム案を了解した大井川利水関係協議会だが、県は結論を先送りした(静岡県庁)
筆者撮影
田代ダム案を了解した大井川利水関係協議会だが、県は結論を先送りした(静岡県庁)

ようやく6月になって、県は「東電の水利権に影響を与えない、静岡県を含めて流域市町は同案を根拠に水利権の主張をしない」とする通知をJR東海に送った。

それで、ようやくJR東海と東電の協議が開始されたのだ。

それなのに、川勝知事は性懲りもなく、「お金が動くわけだから、国交省の見解はグレーである」などと水利権の目的外使用に当たるなどと主張した。

9日の会見は約1時間半にも及んだが、記者たちの疑問には、相変わらずの「ああ言えばこう言う」で逃げてしまい、まともな回答はなかった。

何よりも、静岡県は、田代ダム案の実施策を添付した大井川利水関係協議会開催の要請書をホームページ(HP)で公表していないのだ。これまでは、全面公開を原則として、JR東海からのすべての文書をHPに即座に掲載してきた。すでに、2週間もたつのに、公開は行われていない。

これでは、大詰めを迎えた田代ダム案について、どのような実施策が示されたのか県民をはじめ一般の人たちには全くわからない。

事務方は、川勝知事の意向に従い、さらなる混迷を招く方策の検討で大忙しのようだ。

田代ダム案の実施策を容認する流域市町は利水関係協議会の早期開催を求めるが、川勝知事の発言などからは不透明な部分があまりにも多い。

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