相手の心を打つ文章とはどのようなものか。コミュニケーション・アドバイザーの森優子さんは「メールやLINEの最初か最後に、相手が話していたこと、あるいはその日の気候に食べ物や飲み物といったちょっとした雑談を入れることで印象がワンランクアップする。要件だけでなく言葉をつくした思いやりある文面は相手との心の距離を近づける」という――。
※本稿は、森優子『相手を立てるのがうまい人 仕事・人間関係がポジティブに変わる!』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
メール・LINEでも、相手の顔を思い浮かべながら言葉を選ぶ
目の前の相手の顔が見えない、声も聞こえない状態だと、お互いの表情がわかりませんね。
それだけに、見えない相手に送るメールやLINEは誤解を生まないように心がけたいものです。
「言葉をつくす」
私はこの慣用句が好きです。
メールでもLINEでも、相手の顔を思い浮かべながら言葉を選んで、相手に寄り添った表現で思いを伝えれば、自分の人となりが相手に伝わると信じています。記録として残る文章からも、人柄が読み取れるのです。
得意先に、人の心を掴むメールを送ってくださる女性がいます。
その女性はイベント会社で総務兼広報の仕事をしています。彼女からメールをいただくたびに、繰り返し読みたくなるほどグッとくるのは、言葉の端々に相手を立てる思いやりが感じられるからです。
例えば、打ち合わせやイベント前日には必ずリマインダーメールを送ってくださいます。そこには、念を押すという高圧的な印象ではなく、当日気持ちよくスムーズに進行できるように、お互いに忘れ物がないようにしましょう、という配慮が伝わってきます。