嫌味のようなほめ方をされたら、どう対応すべきか。コミュニケーション・アドバイザーの森優子さんは「例えば、『女子力、高いよね』と言われたら、『うれしいです。でも実は、“男子力”のほうが強いんです』と切り抜けるといい。一旦は認めて、そのうえでやんわり否定することで、モヤッとしたのは自分の思い過ごしでも相手に失礼にはならない」という――。

※本稿は、森優子『相手を立てるのがうまい人 仕事・人間関係がポジティブに変わる!』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

スマイルマークを二つ手に持つ人の手元
写真=iStock.com/Thitima Uthaiburom
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「ほめる」と相手は優しくなる

コミュニケーションにおいて、「ほめる」がポジティブな効果をもたらしてくれることは皆さんも体験ずみのことと思います。

子どもが自己肯定感をはぐくみ、善悪の判断ができるようになるには「ほめられる」経験の積み重ねが大切だといわれています。

子どもだけでなく、大人も「ほめられる」ことで自信がつき、自己肯定感を高めることができます。

うわべのお世辞ではなく、本心からほめてくれた人に対して、人は好意を持つものです。それは感謝の気持ちも入り混ざった、親近感にも似た感情といえるのではないでしょうか。その親近感が、相手との心の距離を縮めてくれるのです。

別の観点からすると、ほめられることは、自分のよい部分を認めてもらうことでもあります。

「優しいですね」「親切ですね」とほめられたら、それは「優しくていい人ですね」「親切でいい人ですね」と、自分の人格のよい部分を認めてくれたことになります。

人の感情は意外と単純なものです。相手に認められればうれしくなって、できるだけ優しい気持ちでいよう、親切でいようと思うものです。