腎機能の値は「血管に深刻な変化」のサイン

では、健康診断の結果から、どのようにして血管の状態を推測できるのでしょうか。

例えば、中性脂肪の値が基準値を超えたり、肝機能の値(γ-GTPなど)が悪くなったりすると、「血管の問題が潜在的に進んでいる」可能性があります。さらに、血圧やLDL(悪玉)コレステロールの値が高くなると、その次の「血管が傷み始めている」段階になります。そして、尿たんぱくやクレアチニンなどの腎機能の値が悪くなってきたら、「血管に深刻な変化が生じている」と考えられます。

図表1をご覧ください。健康診断で異常値が出た項目にチェックを入れると、あなたの血管の障害がどれぐらい進んでいるかがわかります。

基準値を超えていれば病気というわけではない

健康診断では、検査項目ごとに「この範囲であれば大丈夫」だと考えられる「基準値」があります。この基準値は、一般的に、多くのデータを集めて、95%の正常の人が含まれるように決められています。

そして、「基準値を外れたら、即、病気!」というわけではありません。基準値の範囲内でも病気の人が含まれることがありますし、基準値を外れても病気ではない人が含まれる場合もあります。そして、健康診断の結果だけで病気を診断することはできません。入社試験でいえば書類選考みたいなもので、本番はこれからなのです。