イーロン・マスク氏の狙いは「バッテリー工場」か

マスクはこの機会に上海工場での新型「モデル3」の量産を推進し、上海ギガファクトリーの生産拡大、まもなく着工される大型蓄電システム「メガパック」の上海工場を後押しし、バッテリー製品の中国市場のルートを開拓したいところだろう。

中国工業情報化部の微博オフィシャルアカウントによれば、マスクと金壮竜の会談では、新エネ車とスマートネットワーク車の発展などについて意見交換をしたという。

マスクはさらに中国寧徳時代の曾毓群会長と会談しており、おそらくはテスラの上海メガパック工場での、バッテリーセルや動力電池の供給に関する商談ではないか、と見られている。

マスクは6月1日に帰国する前に、上海市の現書記の陳吉寧と会談。上海政府のプレスリリースによれば、陳吉寧は「テスラが上海への投資と業務配置を拡大し、新エネ自動車、メガパックなどの領域で協力が深まることを歓迎する」と述べた。

ロボット組立ライン
写真=iStock.com/PhonlamaiPhoto
イーロン・マスク氏の狙いは「バッテリー工場」か(※写真はイメージです)

ビル・ゲイツ氏は単独で習近平と会談

中国を訪問するグローバル企業家はマスクだけではない。JPモルガンのダイモンCEO、スターバックスCEOのラクスマン・ナラシンハン、エヌビディアCEOのジェンスン・フアン、LVMHのベルナール・アルノーCEOらが相次いで訪中した。

またビル・ゲイツ氏も6月16日に訪中し、外国の経営者として初めて習近平と単独会談した。

政治の風向きが不確実な中で、西側のグローバル企業はインド、ベトナムなど生産国の移転に取り組み、生産の多様化による、中国依存の減少に取り組んでいる。

同時に、バイデン大統領は、中国へのハイテク分野への投資を制限する方向に舵を切っている。

米中関係の緊張により、外国企業の幹部たちは慎重にならざるを得ないだろう。