銀行員は花形ではなくなった
中国の銀行市場は飽和状態であり、銀行間競争が激しくなっている。
北京はまだましだが、急激に厳しくなっているのは上海だ。クレジットカードや理財商品の販売ノルマが重いため、銀行員はかつてほど花形職業だと思われていない。
人民銀行が発表した2022年第4四半期支払いシステム運行総体状況リポートによれば、2022年第4四半期末、中国で利用されているクレジットカード、デビットカードの総数は7.98億枚と、第3四半期より1.2%減少した。
クレジットカードが急減速
上場銀行の年次リポートを見れば、一部銀行のクレジットカード発行量、流通量の増加速度が減速しているのがわかる。
浦発銀行の場合、2022年末のクレジットカード流通量は5133.16万枚で、前年同期比5.98%増だった。だが2021年末に前年同期比で10.78%であったことを考えると、急減速と言っていい。
銀行保険監督管理委員会と人民銀行が2022年7月に発表した「クレジットカード業務ルールの健康発展に関する通知」では、「18カ月以上の取引がなく、当座貸し越し残高や過払いがない長期休眠カードが、同じ銀行の発行するカード総数の20%を超えてはならない」と規定された。
この比率を超えた段階で、銀行は新たなクレジットカードを発行できなくなる。
中国ネットメディアの新浪財経によれば、浦発銀行の総資産は8.8億元あるが、その利益は3年連続で下落しており、行員給与は何度かに分けて引き下げられたという。
浦発銀行側は、この理由を国際地政学上の衝突がグローバル経済にマイナス影響を与え、今後の経済回復の見通しが不確実になっていることが原因だと説明している。