日本で出回っている違法薬物はどこで作られているのか。国際ジャーナリストの矢部武さんは「それはおそらく中国だ。中国では大量の違法薬物が作られており、製造に関わっていた化学企業に潜入したアメリカの捜査官は2500万人を殺害できるほどの薬物を押収した。アメリカ、オーストラリア、東アジアを中心に密輸を続けており、中国政府も野放しにしている」という――。
中国から密輸された麻薬や容疑者宅から見つかった危険ドラッグの袋など
写真=時事通信フォト
中国から密輸された麻薬や容疑者宅から見つかった危険ドラッグの袋など=2015年4月21日午前、警視庁

税関による覚醒剤の摘発が増えている

若者の薬物汚染が深刻化している。

日本大学アメリカンフットボール部の薬物事件では学生寮から乾燥大麻と覚醒剤の錠剤片が見つかり、テレビや新聞で連日大きく報道された。警察庁によると、令和3年度の大麻全体の摘発人数は過去最高となる5482人となっている。このうちの7割が10~20代の若年層だ。彼らが使用した薬物は誰が作り、どのように流通しているのだろうか。

日本国内に出回っている覚醒剤のほとんどは海外から密輸されたものだ。財務省によれば、昨年1年間の税関による覚醒剤の摘発は前年の3.2倍となる300件で、押収量は約567キロだった。これは薬物乱用者の通常の使用量で約1892万回分、末端価格にして約335億円に相当する。

覚醒剤の密輸は航空機や船舶で行われるケースが多い。7月21日には、覚醒剤およそ24キロ(末端価格で約14億8000万円相当)をカナダから成田空港に密輸したとして、32歳の中国人が起訴された。押収された覚醒剤は、手荷物のスーツケースの中に小分けにした状態で入れられていた。

ほかにも、6月7日にはアラブ首長国連邦(UAE)のドバイから中国を経由して大井埠頭ふとうに到着した貨物船のコンテナに、覚醒剤700キロ超(末端価格で約434億円と推定)を隠して密輸したとして、中国籍で20~50代の男女4人を逮捕したと警視庁が発表した。

両方の事件で容疑者は中国人となっているが、これは単なる偶然ではないだろう。実は中国は、日本を含め世界に流通している覚醒剤やヘロイン、フェンタニルなど、違法薬物の主要供給国になっているのである。