住宅は持ち家と賃貸、どちらを選ぶべきなのか。ライターの藤吉豊さんと小川真理子さんの共著『「お金の増やし方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)より一部を紹介しよう――。
40~60%が「理解しているか不安」「まったく理解していない」
「住宅金融支援機構」が2023年3月に発表した「住宅ローン利用者の実態調査」によると、住宅ローンの商品特性や金利リスクに関する理解度について、「変動型」「固定期間選択型」(後述)利用者の40~60%が、「理解しているか少し不安」「よく(まったく)理解していない」と回答しています。
さらに、金利が上昇して返済額が増えた場合の対応については、約20%が、「見当がつかない、わからない」と回答しています。
1級ファイナンシャルプランニング技能士の黒田尚子さんは、著書の中で、住宅ローンのしくみを理解することの必要性を次のように述べています。
「住宅ローンを組む上で大切なことは、金融市場の動きに一喜一憂して、金利が低いからと飛びついてしまうのではなく、住宅ローンの基本的なしくみを理解し、頭金や自己資金を準備し、将来の返済プランなどをしっかり考えることです」
(『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか』/日本経済新聞出版)
(『お金が貯まる人は、なぜ部屋がきれいなのか』/日本経済新聞出版)
ライフスタイルによってメリット・デメリットも変わる
「持ち家と賃貸は、どちらが得なのか」は、「自分がどのようなライフスタイル(ライフプラン)を持っているのか」によって変わります。
物件の購入価格、賃料、家族の人数、住宅ローンの借入額、住み替えの頻度、引っ越し費用など、前提条件が変われば結果も変わるため、どちらが得かは断言できません。
持ち家か賃貸か、マネー本の著者の意見を整理すると、次のようになります。